※この記事は、医療従事者としての経験をもとに、家庭での看病にいかせたことを記載したもので、医学的判断を代替するものではありません。判断に迷うときは、必ず医療機関にご相談ください。
日常の遊びやイベントで見かける、光るブレスレット（ケミカルライト）。
子どもがなめたり、液体が手や顔についた…そんな時、どう対応すればよいか慌てるものです。
今回、保育・子育て支援現場でも役立つよう、誤飲・誤接触対応のポイントをまとめました。
- 成分やリスクの解説
- 受診が必要な症状の目安
- 家庭でできる初期対応
- 夜間や休日に相談できる窓口案内
ケミカルライト（蛍光ブレスレット）の中身って何？
「ケミカルライト」とも呼ばれる光るおもちゃ。中には発光液が入っています。
主な成分例
- フタル酸ジブチル（溶剤）
- 過酸化水素水（発光を引き起こす）
食品ではないため、当然ながら体に入れるものではありません。刺激性があるため、口や皮膚、目に触れるとトラブルの可能性もある成分です。
なめた！どんな症状に気をつけたらいい？
液体が体に触れたり、口に入ってしまった場合、以下のような症状が出ることがあります。
少量であれば重篤な中毒になる可能性は低いとされていますが、「大丈夫そう」に見えても油断は禁物です。
刺激によって、口の痛み・吐き気・皮膚の赤みなどが出ることがあります。
大量って？
商品によりますが、だいたい1本あたり0.5~2mlくらいで作られています。ぺろりとなめた程度は「少量」ですが、「ちゅーちゅー飲んでた」は要注意でしょう。
受診するか迷ったら？まずすること
次のような症状があれば、受診をおすすめします。
- 吐き気や嘔吐が続く
- 顔色が急に悪くなる
- 意識がぼんやりしている、呼びかけに反応がない
- 手足がピクピクする、痙攣のような動きがある
- なんかわからないけど、様子がおかしい気がする時
相談できる窓口と参考サイト
夜間や休日など、すぐに病院に行くか迷ったときには、相談窓口や症状対応のサイトが参考になります。
【子どもの夜間相談窓口】
- 夜間の救急電話相談 ▶︎📞 #8000（子ども医療電話相談）
- 症状別の対応がわかる ▶︎ こどもの救急（公益社団法人 日本小児科学会）
- 商品から知りたい場合 ▶︎中毒110番・電話サービス
家でできる対応と安心のポイント
元気そうでも、少し様子を見たいときは
【家でできるまずの対応】
- 手・顔・口をすぐに洗う（石けん＋流水）
- 無理に吐かせない
- 静かに過ごさせ、様子を観察
- 水分をこまめにとらせる（お茶・水など）
- 様子に変化があれば、即相談・受診の準備
【家庭で見守るポイント】
- 無理に吐かせず、静かに安静に
- 顔色、発熱、ぐったりなどの変化がないか観察
- お茶や水を少しずつ与える
- 気になることがあれば迷わず電話相談へ
我が家でも光る液体が顔や目について大変でした。まず洗うから、始めてみてくださいね。
まとめ
「うちの子、ちょっとなめちゃったけど元気そう」
「受診するほどじゃないかも…でも心配」
そんな時こそ、今できることを落ち着いてしてきましょう。
私自身も、まさかの時に焦った経験があります。
まずは、すぐできること、よく観察すると、そこから次を考えていきましょう。
では、また次回の記事でお会いしましょう
（記事作成のための参照資料）
・日本中毒情報センター「化学発光製品による事故に注意」
・「これからの小児救急電話相談ガイドブック」福井聖子、白石裕子著、へるす出版
